前作の劇場版では、日本国民の無節操さに対する皮肉めいたテーマが込められていたけれど、今回は社会派な内容という意味では同じだけど、警察組織の内部に対する皮肉が全面に出た内容だと思います。
空間的なスケールという意味では前作に比べて小さくなっているけれど、時に国家権力に切り込んでいく相棒というドラマの姿勢、とりわけ二人が属している警察という組織の最上層部をターゲットにした内容は、一応これはこれで映画版ならではのスケールといったところなのかもしれません。もちろん物的にはキャストや演出などの制作費の方が分かりやすい意味での映画的なスケールではあるんでしょうけど。
観た人のレビューを善悪含めて色々と覗いてみたけれど、よく言われているのは「ファン向け」ということ。
レギュラー、準レギュラーといった登場人物があちこちで出てくるということもあるけれど、ファン向けと言われる最大の理由は結末の展開に尽きると思います。
ファンでなければ理解不能という類のものではないし、初めて相棒を観る人でもそれなりに楽しめるとは思いますが、これまでのドラマシリーズを観て来た人と、そうでない人とを比べれば、感慨深さと言うか衝撃性と言うか・・・そういったものは明らかに違うと思います。
わたくしはファンというわけではないまでも、ドラマシリーズはほとんど観ていたため、見終わった後は何だか物寂しい感じがしました。こう言ってしまうとややネタバレになってしまう恐れもありますが、今後のテレビドラマのシリーズにも影響を与えることは間違いないような、そういう出来事だと思います。
国家権力の組織対立といった内容は人によっては興味をそそられないテーマでもあると思いますが、わたくしはこの映画を観て、「ああ、そう言えばそういう考え方もあるんだな」と思わされました。
でも今回の内容って、警察組織や国家機関の大枠について多少なりとも知っていないと、もしかしたら何のことやら分からないといったことになりかねないんじゃないかという気もします。まあ大した知識ではないと思うので、大抵の人は既に知っていることかもしれないけれど、少なくとも警視庁と警察庁、そして省庁というもののポジションが本来どんなものであるかを少しでも知っていて、そういった内容に興味のある人、関心のある人であれば十分に楽しめると思います。
それらの前提に立って、今作のキーワードである『正義』というものが何か、どうあるべきかといったことを、この映画を観た人それぞれに対して考えさせる・・・そういった映画なのかなあという気もします。
まあ何にせよ、個人的には前作の劇場版よりも今作の方が楽しめました。
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